龍村平蔵（たつむらへいぞう）製　袋帯

この商品について

初代 龍村平蔵（たつむらへいぞう）は、経糸（たていと）と緯糸（よこいと）で構成される織物を、独特の陰影をたたえた立体の造形としてとらえ、新技法を次々と生み出しました。数々の特許を取得し、織物を芸術の域まで高めた先駆者として、近代染織史に大きな足跡を残されました。 以来、四代平蔵にいたるまで、きらびやかな錦の帯、法隆寺や正倉院に伝わる古代裂（ぎれ）の復元、祇園祭など各地の祭りの山鉾（やまぼこ）などにかけられる懸装品などで、今なお染織分野の最高峰であり続けています。

1876年、大阪博労町で生まれる。
幼少の頃から茶道、華道、謡、仕舞、俳諧と文芸美術の豊かな環境の中で育ちました。
16歳で祖父が死去したのをきっかけに、府立大阪商業学校を中退し、家業の西陣にて呉服商の道へ進むこととなりました。
当初は呉服販売に従事していたものの、徐々に織物の世界へと傾倒します。自ら機場に入るようになり、織物の研究・制作に没頭しました。
18歳の時には独立し、商売も順調に拡大していきました。
1906年に龍村製織所を設立し、若手デザイナーを起用するために当時では異例の学校訪問で採用を働きかけました。
海外から持ち込まれたジャカード機により機械化の幕開けとなり、機械が主流になれば織の技術ではなく図案が良し悪しを左右すると感性に富んだ若手を多数採用しました。
1919年に初の個展を開催する。芥川龍之介から絶賛を受け、龍村平蔵の名を不動のものとしました。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
1956年に日本芸術院恩賜賞を受賞する。1958年には紫綬褒章を受章。
1962年　永眠。