デザインも気に入って高いお金を出して着物を購入したのに、着付けが悪ければ台無しです。
適切な着方をマスターすることで、着物を美しく着こなすことができます。
◆着物の着方の基本
1 まず着物を背中側へ回し、肩から羽織りましょう。両肩にかけ、片袖ずつ通すと簡単です
2 両手で、衿先の、下から3分の1ほどを持って下全体を持ち上げます。その時、裾線は床に触れそうなぐらいの長さにします。また、床と平行になるようにしましょう。
3 左の脇線が体の中央辺りに来る程度に折り、上前の裾の位置を決めましょう。脇線は自分から見て真横より、0.5~1センチ程度前方に来るようにします。
4 次は下前の位置決めです。下前の褄先を床から15センチ程度、上げましょう。上前を広げる時のポイントは、床と平行に手を動かすことです。丈が短いと、平行に動かしていない可能性があります。
5 下前を決定したら、脇で下前をはさみます。それから上前をかぶせましょう。この時も手先を床と平行に動かしてください。上前の褄先は、下前の半分程度を目安にしましょう。大体、7~8センチぐらいです。正面から見た時、上前が足の甲に少しかかるぐらいを基準にしても良いでしょう。
6 今度は腰紐を結んでいきます。右手で腰紐の中心を持って、右脇に当て、後方へ回してから交差させます。腰紐の位置は、腰骨より2~3センチ上程度です。結ぶ時はしっかりと締めましょう。きつく締めても徐々に緩んで苦しくないです。
7 両脇の身八つ口から両手を入れて、後ろのおはしょりにできたシワを取るように調整してください。腰紐に着物が挟まっていないかもチェックしましょう。次に、後ろと同じく前も整えます。
8 背中心を合わせるため、左右の掛け襟を合わせ、長襦袢の衿に沿う形で、下前の衿を整えましょう。次に左の身八つ口よりコーリンベルトを入れてから、下前の衿を挟みます。
9 コーリンベルトを後方から右側へ回したら、今度は上前の衿先を下向きにはさみましょう。
10 最後に背中にできた余分なシワを脇にとって整えます。
◆着物の着付けのポイント
・帯揚げ
出過ぎないよう気をつけましょう。結び目は3~4センチ幅で四角になる形が良いです。シワがないようにしてください。また、正面から見た時、帯揚げが見えないよう帯の中に入れるのがポイントです。
ただし、振り袖は多く出します。しかし着物の場合、出さないことで上品に魅せられます。
・お太鼓
お太鼓の山はまっすぐ。少し丸みがあると良いでしょう。たれ先、手先、お太鼓、この3つが綺麗に交わるようにします。帯についても斜めに歪まないよう注意してください。
・襟
襦袢の衿は首にきちんと沿うようにすると綺麗になります。
首と衿の間に隙間を作らないようにしましょう。ただ後ろの襟については、こぶしが一つ入る程度空けると良いです。襟についてはゆったりとしているときれいに見えます。
ただ、開けすぎてゆったりしすぎると、少し品が悪くなります。そのため適度さを心がけるのがポイントです。