着物を購入して着るまでは良いけれど、後の管理についていい加減ではすぐに傷んでしまいます。着物は安くありませんから、長く着続けるためにも管理方法を理解しておきましょう。
「着物のたたみ方」「クリーニング」「保管方法のポイントについて解説します。
◆着物のたたみ方は?
着物のたたみ方として一般的なのが「ほんだたみです」特に訪問着や、小紋、色無地、紬、浴衣などで用いられています。
・本だたみ
- 裾を右にして着物を右に広げます。
- 脇の縫い目に沿って内側に織りましょう。次に下前の衽(おくみ)を手前に折り返してください。この時、衽線で折り返すのがポイントです。
- 次に襟肩周り部分の襟を内側に折ります。衽は下前に合わせて重ねましょう。次に背縫いで織り、左の脇縫いを右の脇縫いに合わせます。左右の身頃と袖を重ねる形です。
- 次、左袖を身頃の上側へ、折り返しましょう。この時、男性の着物は袖幅が広く作られていることが多いです。そのため、袖付部分の縫い目より少しだけ袖側を折るのがポイントです。
- 身頃の丈部分を2つに折ります。袖先の辺りで折り返すのが良いです。ものさしなどを利用することで美しく折ることができます。
- 着物を自分を基準に向こう側へ返し、右袖を身頃に重ね合わせます。
◆着物のクリーニング方法は?
綺麗な状態で保管、管理をするには、クリーニングも行いましょう。その場合、自宅で洗濯できるのか?という疑問が出て来ます。基本的に、格式の高い着物を自宅で洗濯するのは控えましょう。自宅で洗濯可能な着物は、洗濯表示に書かれています。手洗いマークがついているなら、洗濯は出来るでしょう。
しかし洗濯はできても色落ちのリスクが高いものもあります。事前にきちんとチェックすることが肝心です。
特に、絞り、刺繍のような装飾、裏地が袷仕立ての場合、色移り、変色、生地の縮みに注意しなければなりません。そのため、自宅では洗濯が難しいです。基本的に高額な着物は自宅で洗濯するのを止め、プロに任せることが肝心です。
特にタグがなかったり、素材が分からないのに「大丈夫」と洗濯すると失敗につながるので気をつけましょう。ただ、自宅での洗い方自体はありますのでご紹介します。
◆着物の洗い方
- 着物を袖たたみにし、洗濯ネットに入れましょう。この時のポイントは洗濯ネットの大きさです。着物がちょうど入るサイズが良いです。
- 基本はおしゃれ着用の洗剤を使い、ドライコースで洗濯します。ただし、ウール素材では、ウールが洗濯できる洗剤を使いましょう。特に注意したいのはアルカル洗剤です。洗う力が高いために、色落ちや色移りのリスクがあります。また、普通コースのようなしっかり洗うコースだと、型崩れのリスクがあるので気をつけてください。
- 和服用ハンガーにかけて干しましょう。ただし、直射日光は避けてください。変色のリスクがあります。着物を干す時は陰干しが良いです。
前記の通り、着物の洗濯はプロに任せるのが一番ですが、浴衣や普段着としている場合は、上記を参考にしてください。
◆着物の保管方法は?
保管をする時にも注意が必要です。保管方法を誤れば高額な着物でもすぐに傷んでしまいます。着物の保管方法で押さえておきたいポイントを解説します。
・湿気対策が重要です
着物の保管で特に注意したいのが湿気です。湿気によってカビや変色が生じることもあるので気をつけましょう。昔は新聞紙と防虫剤を使用していました。ただ、湿気がこもりやすい住宅の多い現代では、除湿剤を使った方が無難です。
着物専用の除湿剤もありますので、安心して保管したいなら使用しましょう。呉服店などで販売しています。また、虫食い対策のため、防虫剤も必須です。
・タトウ紙を使ってみては?
湿気対策では着物自体を包む、タトウ紙も忘れてはいけません。高いタトウ紙の中には和紙で作られており、特に吸湿性が高いです。ただ、タトウ紙はずっと使える訳ではありません。2~3年程度を目安に交換した方が良いでしょう。
タトウ紙は基本的に呉服店で販売しています。お店の中には店名が入っているタトウ紙を販売しており、他店の着物で使うことに難色を示すお店もあるようです。ただ、近年ではインターネットでもタトウ紙は販売されています。しかし一枚ずつの小売をしているお店も少ないので注意しましょう。
・和箪笥での保管がお勧めですが
基本的に着物は和箪笥で保管した方が良いです。ただ湿気が溜まりやすい場所に和箪笥を置いて着物を入れるのは避けてください。着物を保管する時のポイントは、通気性が良く換気ができる場所、そして直射日光が当たらない場所です。
ただ、クローゼットしか保管場所がないというご家庭もあるでしょう。その場合は着物を保管できる専用袋などもあるので利用してはいかがでしょうか。